子めがね
「竹取物語って、面白い?」
ススめがね
「誰がつくったのか、分からないお話だけど、面白いよ。」
『竹取物語』、皆さんはご存知ですか?
竹の中から見つけた女の子を老夫婦が育てて、その後、月からやってきたことが明らかになり、最後は月に帰っていく昔話ですね。
もし、この語り継がれる竹取物語にはこんな真実が隠されていたら、素敵だなぁと思えるのが、安澄加奈さんの『いまはむかし』です。
こちらを今回は紹介します。
ネタバレになるところもあるので、ご承知おき下さい。
人の世から隠された里で暮らしていたかぐや姫だったのですが、この里が滅ぼされてします。
この里から、姫と従者の幼い二人が逃げ延びました。
そして、争いの元凶はかぐや姫と共に地球にやってきた不思議な力を持つ宝であるとして、その宝を集めて封印し、そのすべての力を月に返すために、この二人が旅をするというのが、この本のストーリーです。
この旅の途中で仲間を少しずつ増やしていく中で、思いもかけない展開に登場人物たちは巻き込まれていきます。
この物語のあと、我々が知る『竹取物語』が生まれたという建て付けで物語が締めくくられます。
最後まで読み通すと、ちょっと鳥肌ものでした。
伏線のはり方がすごいというのと、少し違うのかもなのですが、「いいな、この終わり方。」としっかり感じられるファンタジーでした。
物語の冒頭に『竹取物語』が作者未詳と書いてある辺りからラストへの準備が始まっていることが分かり、大満足の一冊でした。
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