『夜明けのすべて』

ススめがねの今日の一冊
子めがね
子めがね

「心と体のバランスが崩れてしまったらどうなるの?」

ススめがね
ススめがね

「人生は思うようにならなくても、何とかなることの方が多いよ。」

古本屋で見つけた瀬尾まいこさんの一冊です。

物語の主人公である藤沢さんと山添くんは、まったくの他人同士ですが、二人が抱えている生きづらさが彼らを結びつけました。

ただ、物語の中で二人を結びつける大きな展開があるわけでもないのにすごく心を惹きつける、そんなお話になっています。

早速、二人の出会いから簡単に説明してみようと思います。

出会い

主人公の二人の名前は、山添くんと藤沢さんです。

パニック障害の山添くんが発作を起こした時、PMCの藤沢さんがそこを助ける場面から、2人の心のふれあいが始まります。

彼らの物語が交差する瞬間です。

藤沢さんと山添くんは、お互いに苦手意識を持ちながらも、互いに寄り添っているようにもみえ(この物語的に、「寄り添う」は言い過ぎかもです。)、心の動きに素直に向き合います。

2人の物語が交互に綴られながら、彼らが抱える問題や過去との向き合い方が描かれます。

彼らは完璧な人間ではなく、失敗や葛藤を経験しながら今を生きている姿が、読者の心に新鮮に染み込んでいく感じ。

彼らの絆というとこの物語には熱すぎて似合いません。それでも二人はゆっくりと(なぜか)距離を縮めていきます。

素直に世界を見つめ直すこと

物語の後半では、藤沢さんと山添くんが共に成長していく姿が描かれます。

自分たちの抱えていることに向き合い、互いの素直さと温かさに気づく二人は、新たな希望を抱きながら未来に向かって歩き出します。

出来ないことは出来ないけど、それとどう付き合っていくかというところに二人の気持ちが向いていき、その気持ちの向きが揃うようになってくるというところがこの物語が伝えたいことだと感じました。

まとめ

「人生は思うようにならないけど、思うようにならないことは不幸せではないし、大抵のことは何とかなる。」という気持ちにさせてくれるこのお話、是非、皆さんも触れてみて下さい。

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