「口うるさいおじいちゃんって、なんかイヤだなぁ。」
「ある日、そんなおじいちゃんと突然、二人で暮らすことになったところから始まる物語があるよ。」
「そんなおじいちゃんの知らなかった部分を知ると、少しおじいちゃんの見つめ方がかwルコとがあるよ。」
昔、人々は特定の考え方や行動が当たり前、常識とされていました。
たとえば、「男らしくあれ」とかの言葉がありました。これは男性に向けて、自分の意見をしっかり持ち、大切なものを守るべきだというメッセージでした。
でも今、この考え方は性別に関係なく、また、いつも誰かを守ることが万人に求められるわけではないことを私たちは知っています。
カレーとおじいちゃん
寺地はるなさんの『カレーの時間』という本では、気難しいおじいちゃんが登場します。
3人の娘たちや孫たちからは「面倒くさいなぁ」と言われるおじいちゃんです。
彼は「女は、」や「男のくせに」と言ったり、無駄にカッコつけようとします。
ある日、主人公はそのおじいちゃんと一緒に住むことになります。
そんな主人公は、おじいちゃんの家の掃除ができていないことにもイライラしていましたが、それは老眼のせいだということを知ります。
さて、おじいちゃんの家は、そもそもまったく片付けが出来ていない訳ではなくて、おじいちゃんには、またっているホコリが見えていないのです。
これって、おじいちゃんのだらしなさではないですよね。
先入観をもって人をみることを嫌う主人公は、おじいちゃんを先入観でみていたことに気が付きます。
人は違う視点を持つ
この物語では、おじいちゃんの若いころと現在の物語が交互に語られます。
そして、大切なことは「その人の視点でしか理解できないことがある」ということです。
おじいちゃんは不器用ながらも家族を愛しており、その真実は物語を通じて明らかになります。
この物語では、登場する多くの人々の「ホントの気持ち」が明らかになり、その中には、受け入れやすいものも受け入れ難いものもあります。
この物語からは人々の背景や解釈が多様であることがキチンと伝わり、そして、優しさのある解釈というものがとても大切であることを感じさせられます。
まとめ
「大切な人との間ですれ違ってもう戻れない。」
この状態ってとっても辛いです。
大切な人との関係がこじれても、この本は、そんな人に新しい気づきをもたらしてくれるかもしれません。
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