子めがね「期待に応えてくれる人って、いい人なのかなぁ。」
ススめがね「悪い人ってことはないけど、その人は苦しんでいるかもね。」
いつも期待に応えてくれる、そんな人に出会ったことはないですか?
あなたの思った通りに、してほしいように、声をかけてくれるそんな人です。
寺地はるなさんのこちらの一冊の主人公は、そんな人のお兄さんです。
あるいは、あなた自身がそうだという場合もありますよね。
彼の人生はいくつかの苦難に満ちています。
母親との関係、妻との関係、仕事についての葛藤。
物語は、主人公の弟が失踪したところから始まります。
弟の失踪
弟の失踪は、主人公にとって驚きと混乱の瞬間でした。
彼は、弟のみせる母親に対する優しさと、自分に対する優しさが異なることを知っていました。
弟は普段、穏やかに家庭や職場で生活していましたが、職場での出来事が彼を突然消え去らせました。
主人公は、弟の本当の姿に対する疑念を抱きながら、彼を探し始めます。
弟の特質
主人公は弟を探す過程で、彼が人々の期待に応える特別な特質を持っていたことを理解していきます。
相手の望みを瞬時に理解し、それに応える能力。
しかし、この生き方はおとうと本人にとって苦悩をもたらしました。
他人の期待に応じることで、自己の空虚さを感じるのです。
希望のゆくえ
物語は、主人公が弟の苦しみを理解し、結末に向かいます。物語の結末では、弟が誰の前からも姿を消します。
主人公の名前は誠実で、弟の名前は希望(のぞむ)です。
しかし、希望の行方についての謎が残り、読者は物語を終えるときにこの兄弟、それぞれの希望(きぼう)の行方について深く考えさせられるはずです。
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