『ちょっと今から仕事やめてくる』　　　　　　『ちょっと今から人生変えてくる』

子めがね

「仕事って、辞めてもいいの？」

ススめがね

「辞めてもいいよ。君と君の大切な人のために働く場所は、きっと他にもあるよ。」

仕事では、時として辛いことが起こりますね。

成果がなかなか出なかったり、人間関係に悩んだりすることもあるでしょう。

そのせいで、自分を責めたり、自己評価が下がってしまうことも。

私も過去に同じような経験をしました。狭い世界に閉じこもり、苦しんでいました。私の中で、「できない。」「うまく行かない。」＝「情けない。」「恥ずかしい。」に近い気持ちになってしまい、その先に待っていた感情が「自分が悪い。」でした。

新たな視野

北川恵海さんの『ちょっと今から仕事やめてくる』とその続編『ちょっと今から人生変えてくる』は、そんな自分を攻めてしまいがちな時に、広い視野を開いてくれる物語です。

主人公も辛い職場環境で悩んでいますが、自称幼馴染の登場が彼の人生に変化をもたらします。

「きちんとご飯を食べること。」「体を休めることの意味。」「身だしなみを整えることで気持ちがシャキッとすること。」など日常で心身の健康をたもつことを思い出し、徐々に心が軽くなっていきます。

物語が進むにつれて、自称幼馴染の影響により徐々に主人公の適切な自己主張が強くなっていきます。

そして、ついに、彼は「自分の人生を変えるのは、自分だけ」という確信を持つようになります。

また、続編では何人かのサブキャラクターの背景が描かれ、物語全体がより立体的になります。

主人公を裏切ってしまった同じ会社の先輩や物語の最後で助けた高校生のその後など気になるエピソードがたくさん散りばめられてあります。

多くの人々にとって、『ちょっと今から仕事やめてくる』とその続編は、希望に満ちた物語になるはずです。

主人公の素直さ、真面目さゆえの苦悩や自己評価の低さから始まり、視野が広がり、自己肯定感が強まっていく過程を通じて、読者は自分自身の人生に新たな光を見つけるかもしれません。

この物語は、日常の大切さと支え合いの意味を教えてくれます。

そして、今の仕事を続けるかどうかは、個人の選択次第ですが、どちらを選んでもこの物語はそんなあなたを支えてくれます。

自分を信じ、成長し、人生を変える力を見つけるための一助にこの物語がなったら幸いです。