「親にならないと親の気持ちは分からないの?」
「経験のあるなしに関わらず、そもそも人の気持ちを理解するのは難しいよ。」
「普通は、〜」「みんなは、〜」ついつい使ってしまうこの言葉。
寺地はるなさんの本を読めば、とりわけ『彼女が天使でなくなる日』を読めば、これらの言葉に対して考えさせられてしまいます。
「その普通って、ホントに普通ですか?」
「その普通に乗っかれない人は、異常ですか?」
「普通は乗っかれてない人を傷つけていませんか?」
寺地はるなさんの『彼女が天使でなくなる日』を読むことで、その「普通」が実はどれほど曖昧な概念で人を傷つける可能性があるかを考えさせられます。
この本は、私たちが当たり前と思っていたことに疑問を投げかけ、新たな視点を与えてくれる一冊です。
捨てられた運命、共に歩む絆
物語の舞台は九州北部の小さな島の託児所併設の民宿。
主人公である千尋と千尋より年下のまつりはそれぞれ違う親に捨てられた過去を持ちながらも、その経験を共有し合い、互いの傷を癒しながら成長していきます。
彼らの物語は、子育てや育児に悩む宿泊客を通じて、人々の心に共感を呼び起こし、そこから新たな絆を築くきっかけを伝えてくれる一冊です。
希望の光、新たな一歩
日常の中で何かに追い詰められた経験は誰にでもあるでしょう。
自分の力ではどうにもならない苦しさや挫折感に直面した時、この本は心の支えになりえます。
寺地はるなさんが描く物語は、少しずつ視野を広げ、光を見つけ出すための手助けをしてくれる感じです。
読者は物語を通じて、自分の中に眠っていた可能性に気付き、新たな一歩を踏み出す勇気を持つかもしれません。
まとめ
この一冊は、日常の中で感じる迷いや孤独、挫折に向き合う人々に向けて、新たな視点と希望をもたらしてくれます。
「当たり前」という言葉に追い詰められたことはありませんか。
「自分は普通じゃない。普通のことができない。」と悩んだことはありませんか。
もし、そんな経験をされた方にとってこちらの本は、電車の中でも涙があふれるほど感動すること必至の一冊です。
コメント